喪失感の中で何日間を過ごしたであろう。


何ヶ月間であったかも知れない。


だが、まだ暑苦しくも無いのできっと一年間は経っていないのだろう。


そろそろ動かないとこのまま腐ってしまう。

道に横たわる多くの人々の様に・・・


もう会社には行かなくて良いようだ。

かと言って、何をする?・・・

すぐに答えは出なかったが、周りの状況にも多少の興味が出て来ていた。


「車もあるし、出かけてみるか。」


あの日から、ごく近場に最低限のモノを「取り」に行くことしかしていなかった。

基本的に食料を「取り」に行っていたのだが、カップラーメン、缶詰、あとは時間が経っても食べられる一部の食品に限られていた。


この間、あることに気付いては居たのだが、意識はしていなかった。

それを明確に意識の中で認識するまでにはもう少々時間を要した。