正直。

 闇の世界の暗黙のルールは、僕の方が知っているはずだった。

 だから。

 僕のことになると、がぜん。

 心配症になる、ハニーの提案は、まあ、万が一の時は、ね。

 ……っていう位にとどまり。


 もしかしたら、この祭りで踊るフラメンコが、ラスト・ダンスになるもしれない……とは。

 ちっっとも思ってなかったのに。


 まさか。

 ふたを開けてみたら、こんなことになっていた、とは、思わなかった。



 
「……あんたは、どっかの国の王子か、なんかか?」

 僕の言葉に、トシキは、あまり読めない表情のまま。

「さてな?」

 と肩をすくめた。



 ………