私が子どものころ、両親が、山で仕事をしていたことがあった。

私は、放っておかれても、一人で遊べるお子だった。

その時、私は独りで草の実を取って遊んでいた。

草のなっていた植物は、自分の背よりも高いところまで生えていて、立ったまま、ぷちぷちとその実を摘んでいた。

植物の生えた山肌の上には、道があった。

その道が、舗装された道なのか、獣道なのか、わからない。

そんなこと、確かめなかったから。