ケータイ小説 野いちご

重なる平行線

事件後二日目
事件報告

「190cm以上の、黒い男?」
「えぇ」
駅前にある喫茶店で、時折珈琲を啜りながら仲良く談笑して(皮肉)、既に30分近く経っていた。

「知り合いにいらっしゃいませんか?」
「えー…中学校の同級生だった男子とか、探せばいるかもしれないですけど…」
そんな巨人が知り合いにいたらすぐに思い出せる。
今は女子校に通っているけど、190までの高身長はいなかった…筈。
少なくとも身近にはいない。

「彼氏サンとかでいませんかねぇ?」
「いませんよそんなん」殺されたいのか。

昔はそれっぽいのがいたけど、自然消滅してもう会っていない。この前後ろ姿を見たけど、そんなでかくはなってなかった。
まぁこの事件には関係ないだろう。

「で、何者ですかその人は」
「事件の日に、鈴原サンのご近所でやたらと目撃情報があがってるんですよ」
「さいですかー」
「何でも、黒い帽子に黒サングラス、黒く厚い上着に黒い長ズボン、黒い手袋を嵌めた全身黒づくめだったとか」
「………さいですかー」怪しすぎだろ、それ。
まるで自分が怪しい人だと自己主張しているみたいだ。

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