◇初夜!?◇



照明を落とした薄暗い部屋。


二人の息遣いだけが、部屋の中を満たす。


あたしはすぐ近くにある戒の顔を見上げた。


相変わらず、女のあたしより綺麗で、整った顔。


まさに美少年の言葉がしっくりくる。


薄いブルーのストライプパジャマの襟から胸元まで掛けてボタンが外してあり、そこから覗く首筋やら、くっきりと滑らかな鎖骨に視線が釘付け。


ってか、あたしはエロ親父か!!





「朔羅―――」


名前を呼ばれて、戒の温かい掌があたしの頬を優しく包む。


ドキンと心臓が大きく跳ね、あたしはぎゅっと目を閉じた。


身を捩って戒の下から逃れようとしたけど、布団の上に倒されてるから逃げようがない。


おまけに戒の両手はあたしの両手に重なっている。


普通の男だったら、一発ぶん殴って半殺しにしてやる自信はある。


だけどこいつは(きっと)あたしより強いし、何よりあたしは





戒のことが好き―――………







逃げる理由なんてどこにもねぇじゃねぇか。


戒の顔が近づいてきて、キスが降りてきそうな気配があった。





「ちょっと待ったーーーー!!!」