数ヵ月後、城は多くの兵たちに囲まれていた。


城の中で、フランチェスカは泣いていた。
それをなだめるレックス。
フランチェスカは彼に泣きすがっている。


「嫌だ……そんなの、絶対に……」

「こうする他ないんだ。わかってほしい」

ノワール王国に反乱がおきている。
隣国を滅ぼすという暴挙に、とうとう国民たちが立ち上がったのだ。

その反乱にフレイル国も手を貸した。
そして家臣たちも反乱軍側に寝返った。

城に残るのは二人だけ。
もうすぐ、兵たちが突入してくるだろう。


「……っ」

「女王フランチェスカは……死ぬべきなんだ」


彼の言葉が、重く彼女にのしかかった。