「僕のこと、嫌いになったってことなら、はっきり言ってほしい……。もう好きじゃないのなら……」



僕のつぶやきに、君は涙で濡れた瞳を向ける。



「違う……違うの。好き……今でも好き……。でも、前のような気持ちとは違うの。もう戻れないの」



何が違うのか、僕には全く分からない。



「なんで……なんでだよ」



僕にある君が突き付けた現実は、



僕の知らない誰かに、君が想うその男に、



僕自身が負けたということと、



これは夢ではなく、



今、僕の目の前にいる君は、もう僕の彼女ではなくなるってこと。



それだけは、はっきりと見えていた。