ドアをノックすると、部屋の中からは何の色みもない男の声が返ってきた。



『何だ』

「お食事をお持ち致しました」

『入れ』

「失礼致します」



私は赤ワインを入れている籠を腕にかけ、食事ののったトレーを持ってキングと呼ばれる男の部屋に入った。


トレーをテーブルの上に置きグラスに赤ワインを注ぐ。


この男の部屋はあの女の子の部屋とは比べものにならないほど豪華な作りだった。


豪華な家具に照明や絨毯。


だけど生活感がなく、とても寂しく悲しい部屋。