梅雨入り。


今日も雨だ。


うっとおしいこの季節、気分が沈むのは、この天気のせいばかりではないだろう。


あの日。


アリエルの突拍子もない告白を受けた日から、なかなか果夜とゆっくり話す機会がないというのが正しい表現なのか。


避けられてるというのが正しい表現なのかはわからないが、果夜の笑顔が見れなくなったという事だけは、まごう事なき事実らしい。


アリエルがオレに告白したところで、姉の果夜にはあまり関係があるとは思えない。


だとしたら。


やはりあの日の帰り道、何かあったのだろうか。


それとも翌日の学校で…?


わからない。


わからないが、果夜はオレの前で笑わない。


仕事に誘おうとしてもやんわりとスルーされる。


笑わなくなった果夜に弟のオレができる事は何1つ見つからずに、毎日学校と仕事のリピートで、行き場のないモヤモヤとした気持ちだけが宙ぶらりんの日々。