山崎「っつー訳で失礼してますふくちょー!」



土方「人の部屋は勝手に入っちゃいけませんって習わなかったか?」



土方はこめかみをぴくぴくさせながらも座れと合図する。部屋には近藤もいた。
畳に無造作に置かれた座布団に座る。
それを確認した土方がゆっくりと口を開く。




土方「…仮に、お前が未来から来たとする。」



実瑠「信じてもらえるんですか?」



土方「…その、身寄りはあるのか?」



実瑠「未来から来たっていいましたよね?ないに決まってます。」



近藤「じゃあここで」

土方「剣道はたしなんでいるか?」



近藤の言葉を遮って土方は質問する。



実瑠「剣道ですかぁ〜






…全くのド素人ですけど?」



それがどうしたと実瑠は微笑む。反対に土方はうなだれる。



土方「…隊士にでもしようと思ったんだけどな。」

残念でしたね、どんまーいゲハハと実瑠は受け流すが、近藤は聞き逃さなかった。


近藤「隊士だと?!そんな危ないまね女子にさせる気か、ばかちんが!」

土方「げふぁ!」



正義の鉄拳が土方を襲う。



近藤「しかぁぁし!女中にするにしても住み込み!男所帯では狼の中の羊!危険だ!」



無駄に大きい声で近藤は叫ぶ。



山崎「なら小姓はどうですか?ふくちょーの。」

土方「俺?」


近藤「トシも小姓が欲しいだのほざいとったしな!」


山崎「小姓なら危険な仕事もないし、男だと偽ればそういう面での危険も防げる。」




実瑠《………状況が掴めませんなう。》