──数日ほどをかけ、遠くに見える街らしき影を捉える。

 近づくと石の門がシレアを迎えた。

 領主がしっかりしているのだろう、警備の者も凛々しく立派な門構えに、この街の大きさが窺える。

 活気溢れるこの街はエナスケア大陸では五番目くらいの規模になる。

 カルクカンから降りて表通りまで続く石畳の道を歩くと、彼を視界に捉えた女たちが声もなくただ呆然と過ぎていくシレアを見つめていた。

 女たちはシレアの背中に溜息を漏らし、潤んだ瞳が彼の影をいつまでも追いかける。

「いまの、見た?」

「みたみた。すごいびじん」

 二人の少女が互いに顔を見合わせる。