「もう大丈夫……かな?」



特別教室棟の4階にある視聴覚教室に入り、晶ちゃん達をやり過ごす事にした私は、階段状になった教室内の一番上まで上がり、机の陰に隠れて辺りの様子を窺っていた。


昼休みの特別教室棟では生徒達の姿をあまり見かけない。


普通教室棟と比べれば、普段からひっそりとした印象があるんだけど、この時間帯は特に静かだ。


4階は最上階だし、この視聴覚教室しかないから、まるで人の気配もしない。


もちろん晶ちゃん達がいる様子もない。


どうやら上手く撒けたみたいだ。



「晶ちゃん、ホントしつこいんだから」



床に座り込んでいた私は立ち上がって、作りつけられた長椅子に腰を下ろした。