来た!!



たくさんの生徒達が校門を目指して歩いて来る中、一際目立つ、長身の男子生徒。


他の生徒達と比べても頭一つ分くらい大きい彼は、さわやかな秋晴れの日差しに照らされて、髪がキンキラキンに輝いている。



もう!!
やっぱり直してない!!


校門の前に立って、他の生徒達の身体検査をしながらも、私の意識はすでに彼の方に向いてしまってる。



「はい、大丈夫です。行って下さい」



自分で言うのもおかしいけれど、風紀委員らしいキリリとした表情を作りながら、校則に準じていた女生徒を見送る。


そして私はこれから来る天敵と相対すべく、ふうっと大きく深呼吸した。