コンコン

寝ている俺には勿論聞こえる訳もなく。

「入るよー」

愛しい声も聞き逃す。

「潤くーん。ご飯だよ、起きてー」

ゆさゆさと揺すぶられて、眠い目を擦り渋々起きた。

「あ、起きた。潤君、ご飯作ったんだけど食べる?」

「ん~」

鼻をかすめる良い匂い。

「カレー?」

「うん。材料無かったから、買い物行って遅くなっちゃったから」

「重くなかったか?」

「うーん。ちょっと?」

「今度から俺起こせよ」

「はーい」

「っしゃ、飯ー」

「男の子って何であんなに食べれるのかな?」

「そんなもんだろ」

「へー」

俺たちは良い匂いの立ち込める、リビングに向かった。