与那星島の海の色。


与那星浜に寄せて返る、静かな、波。


優しくて、穏やかで。


不思議な色をしている。


その色を「クリアブルー」だと言った彼は、波のような年下の男の子だった。


比嘉 海斗。


静かに寄せて来て、あたしの中で渦巻くドロドロした物を連れて、水平線のずっとずっと向こうへ返って行く。


だから、海斗と会って話すだけで優しい気持ちになる。


それはきっと、心が浄化されるから。


海斗は不思議な男の子だった。


優しくて、穏やかで、とても静かで。


海斗こそ、クリアブルー色だと思う。


彼はあたしの荒れ果ててしまった心に、透明な風になって入り込んで来て、浄化してくれる人。


そして、この夏。


あたしはかけがえのないふたりに出逢った。


ふたりは燦燦と降り注ぐ太陽のような人たちだった。


いつだって明るくて、元気で。


どこまでも真っ直ぐで。


ちょっぴりおせっかいで、人情に篤くて。


本当に温かくて。


素直で。


色に例えるなら。


……そうだな。


純粋に、単純に。


そうそう。


正直なオレンジ色。













――もう話しかけないで!


あの夜から4日が経っていた。