下駄箱に向かうと

「理桜様、お迎えに上がりました」

パンダ女が騒いでいる

「ありがとう、琉羽(ルウ)」

車のドアを開けてくれたから大人しく乗る

「理桜様、これからの予定ですが、

先日の取引の報告書をチェックください

他の書類もありますから

会議ら19時からです
それまでに書類に目を通してください」

車で迎えに来てくれたのは私の秘書

氷川琉羽(29)
秘書なのに会議等が無い時は常に燕尾服
私がまだ両親と住んでいた頃からの付き合い

よく解らないけど10年以上の付き合いになる

私の傷も知っていて支えてくれる一人

「理桜様、聞いてますか?」

仕事に関して鬼畜でもあり
「聞いてる
ゴメンね、花ちゃんとの時間を奪って

今度埋め合わせに休暇を使って旅行をプレゼントするわ

うちのホテルだけどスイートよ?」

ルウはなんだか動揺している

「仕事ばかりで家庭を省みないと捨てられて

その腹いせに刺されたら困るし」

ハンドルを切ったルウ
「俺と花の絆は不変です」
自信満々に言うから

「ゴメンなさいね、ルウ」
一応謝罪した

花ちゃんとはルウの彼女
10歳年下で出会いは秘密らしい
本名は中条花らしい

普段氷の秘書なんて呼ばれているが彼女を溺愛する

軽く犯罪者に見えるわね
10歳年下は

気にしないけど

「理桜様、付きました」

からかっている内についた