「それじゃ今日は職員会議で準備はないけど、明日から本格的に始めるから、各自自分の担当をしっかり把握しておくこと!」

…相川くんに家まで送ってもらって数日がたち、とうとう文化祭二週間前になった。

朝のSHRで声を張り上げながら話す柏原くんを見ながら「はぁ…」と小さく溜め息をついた。


「どうしたの渚。溜め息ついたら柏原くんがかわいそうだよ。」

「……柏原くんに溜め息ついてたわけじゃないよ…。」


おどけて言う舞に、ぼそっと言う。

“家まで送るから”

相川くんのあの時の言葉が頭の中をぐるぐる回る。

あの日以降、誰かに仕事を任されることはなく、仕事も速く終わることができたため、毎日明るいうちにひとりで帰っていた。

…ただ今日からはそうはいかない……。

クラスの準備が本格的になってきたということは、部活の方もそうなるわけで。


みんな部活の練習に行っちゃうんだよね…。