ケータイ小説 野いちご

夜をすり抜けて

出逢い


何時間たったんだろう…?


「ええ――――――っ!」


という男の人の素っ頓狂な叫び声で、わたしは目覚めた。


「なっ、何してんだよ、お前っ!」


「え、な、何? 誰?」


「それは、こっちが訊いてんだろーが」


見ると男が完全にパニクッた顔をして、懐中電灯のライトをこっちに向けわたしの顔を照らしていた。


「あ…そっか」


徐々に記憶が蘇り、トラックに揺られながらいつのまにか眠ってしまったことを思い出した。


「何か、寝ちゃったみたい」


「は?」


「鞄取ろうと思ったら扉が閉まっちゃって…」


しどろもどろになりながら、わたしは目の前の男にそれを説明する。


きっとこの人がこのトラックの運転手なんだろう。




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