ケータイ小説 野いちご

夜をすり抜けて

小さな想い


「CDでも聴くか?」


様子が変だとわかるのか、樹が不意にそう訊いてきた。


「ちょっと古いけど、後ろの小さな紙袋の中に入ってるから、好きなの選びな」


樹のシートの後ろにある大きい方の紙袋には着替えやらタオルやらが入っている。


小さい方のを膝に置き、中をのぞくとCDがいっぱい入っていて、あとはメガネとTシャツ一枚と、ピンクのモヘアのセーターがきれいにたたまれて入っていた。


ブランド品の化粧ポーチも―



ん? これって…。


「もしかして、これ全部元カノグッズ?」


「ええっ、わかるっ?」




あのねー、誰でもわかるよ、普通。

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