足をむずむずさせながら、深青は目の前に置かれている器に眉を寄せながら花を生けていく。


「まあ、如月さん。素敵な色合いですね」





 両手を合わせてにっこりと微笑むのはシスター井上。


 一般教養の授業の華道を受け持っている教師だ。


「あ、ありがとうございます…。

っいっ!」


「あら、どうしました? 如月さん」


「な、なんでもありません、大丈夫です」





 褒められたことで礼を言う深青。


 だけど、その時に微かに動いたせいで正座をしていたために痺れていた足に電気が走る。


 それを、なんとか誤魔化す深青。


 シスター井上は、首を傾げながらも、「そうですか…」と先へと歩いていく。


 それを見て、深青は「ハァ…」とホッとした溜息を吐いた。





 そして、先ほど褒められた自分の生けた花を見る。





 色合いがどうとか言ってたけど、正直、生けた私自身がどこがどういいのかがさっぱりわからないわ。