―――――話は一ヶ月前に遡る。





 高校に入学してからすでに一年が経ち、深青も二年へと無事進級。学校にも充分に慣れ、いつもどおり平和に学校へと行っていたある日のこと。











「ただいま…」





 いつものように、学校から帰ってきた深青は、玄関に綺麗に並べられている見慣れない高級そうな革靴を見ながら家の中へと入っていった。





 お客様…だよね?





 そう思いながらも、ふと首を傾げる。





 この時間、勤めのある母は帰ってきていない。


 いつも自分よりも先に居るのは、妹の唯香のみ。


 その唯香も、中学で部活に入っているために、自分よりも帰ってくるのが遅いのがザラだ。


 だからこそ、何も考えずに普通に鍵を開け家に入ったのだけど―――…





 目の前に存在感を示すように並べられている靴を見ると、深青は自然と眉が寄った。