―――静かな図書室。

私の目の前に居るタツと亮英の視線が怖い。



「どうして言わへんかったんや」



タツに至っては、声も低くて怖い。

那々は自分で連れて来たのに、一番ビビってる。



「……言えなかった。亮英に那々が話そうとした時、“嘘だろ”って言わたら、何も信用しなくなると思った」



「言わない時点で信用してへんのと同じや」



「違う――ッ!!」



私は思わず叫んでしまった。

でも、本当に違う。



「上手く言えないけど…中学のクラスメイトたちみたいに…“見殺し”って、思われるのが嫌だったの…っ…」



私は溢れそうな涙を、下唇を噛んで堪えた。