「...ミャー」
しばらく私を抱き締めていてくれたアオは
黒猫の鳴き声で身体をそっと離した。
「......」
もっと抱き締めてほしかった。
もっともっとぎゅって...
「あ、そうだ。こいつ俺が飼うわ」
あたしがむうっと
頬っぺたを膨らましていると
アオが隣で子猫を抱きかかえ、
嬉しそうに笑った。
「今日から俺は2匹の黒猫の飼い主だな」
...私は黒猫として
カウントされているらしい。
でも、アオと一緒なら黒猫でもいいと
素直にそう思った。
「こいつに名前付けなきゃなー」
「ミャー」
「何て名前がいいと思う?」
「....んー」
子猫の名前なんて正直思い浮かばない。
小さい頃からペットなんて飼った事
1度もない。
私はずっと前からペットを飼いたいと
ママにお願いしていたけど
その願いはあっさり却下されていた。