ケータイ小説 野いちご

【短編】いい加減、気付いてクダサイ。

気付いてよ




今日もキミは無垢な瞳で俺を見上げる。



そして俺は今日もこの言葉を口にする。



「好きだよ。」



するとやっぱりキミは何の疑いもなく今日も同じ言葉を返してくる。



「ありがと。」



俺は今日も、ため息をつく。



あのね、俺はね、本気で言ってるんだよ。



ちゃんと、女として好きだって言ってんだよ。



ホント、天然で人の告白をかわすの、やめてくんないかな。



いくら俺が5つ年上の近所のオニイチャンだからってさぁ。



その「仲良くしてくれてありがとね」な反応、密かに傷つくんだけど。



俺はポケットに伸ばした手を引っ込めた。



キミが煙草嫌いって言うから、俺はキミの前や、キミに会う前は吸ってないんだよ。



それにも気づいてんの?



俺、好きな子にはちゃんと気を遣うよ?



ヤンチャな態度は、キミにはとってないよ?



気付いてんの?



ま、物心ついた時からキミの前ではいい兄貴を演じてるからわかんないだろうね。



「今日は彼女さん、いいの?」



その言葉に軽く舌打ちする。



「だから、彼女いないって言ってんでしょ。」



この前、気があるような態度を見せる女に絡まれているところを、見られてしまった。



それ以来、すっかり距離を置きやがって。



事あるごとに、「彼女ほっといて大丈夫なの?」なんて言うし。




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