教室に戻ると、真っ先に机に突っ伏した。


理由は単純。告白した彼女と顔を合わせづらいからだ。


先程の一件から、彼女との関係は「友達」から「クラスメイト」の一人へと降格したのだ。

しかも、先頭に「フッた」がつく、クラスメイト。最悪すぎる。


寝ているフリを装い机を見つめていると、中学時代からの友人の一人が声をかけてきた。


「夏軌、またフラれたって? 相変わらずだよなぁ、お前は…」


「……」


言い返す言葉も無い。


ゆっくりと顔を上げて友人の顔を見る。


「お前は年上好きには不利なんだよなぁ。いかにも美少年って顔してるから」


「……何それ、嬉しくない…」



美少年だなんて、お世辞にも程がある。

童顔に生まれた事を何度後悔した事か。