〈悠月side〉

和之の車に乗って、仕事場まで向かう。


なんか…緊張するなぁ…


一応、和之とこういう関係になってから…初出勤だし…ね?


「大丈夫大丈夫。
他の男には手出しさせないから。」


「ホントだって。
母親の朝飯も美味かったけどさ、悠月のもめちゃくちゃ美味かったし。」


「ホントに?」


「僕が嘘言うと思う?
ホントだって。
毎日でも食べたいよ。」


「ありがとうっ!!」


ちょうど赤信号で、ぎゅって和之に抱きつく。

ぶっちゃけ、不安だったんだよね…

朝ご飯食べてるとき、何も言ってくれなかったから…

「こら。
赤信号だからいいけど…
車内ではなるべく…抑えてな?
…あんまり可愛いことされると…襲いたくなるし。」

照れたように笑いながらそぉ言う和之が可愛いなっ♪
でも…何か今…さりげなく…すごいこと言われたよね?


そんなことを考えながら頬を赤く染めていると…


「なーに照れてんの?
そぉいうとこも、もちろん可愛いけど。」


和之…だんだんSの本性が出てきたかな…?


気づけば、あっという間に会社の駐車場に到着していた。


手早く和之が降りて、私がいる助手席側のドアを開けてくれた。


「隣の車にぶつかっちゃったら、大変でしょ?」


「ありがとっ…///」


エレベーターに乗り込んで、1階で降りて、そこからエスカレーターで会議室に向かう。

会議室がある階で降りて、手を繋いで向かおうとしたら…


「悠月、ここではちょっと…」


そぉ言う和之の声とともに、ほんの一瞬だけ絡んでいた指が離れた。

なぜって?

後方に、プロデューサーさんの姿があったから。


悠月side〈終〉
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