「ただいまー」


俺はルンルン気分で帰ってきた。


「てめぇ・・・なんて顔してんだよ気持ちわりぃ・・」


3つ上の兄貴が俺の顔を見てドン引きしている。


しかしそんなことは関係ない。


だって俺は今生まれて初めてすごく幸せなんだから。


「お前、女でもできたのか?」


「へへ。わかる?」


「ちょっとこい」


兄貴の部屋に強制連行された。


「ちょっと・・なんだよ兄貴・・」


「お前、その女、だれだ?見せてみろよ」


俺はこの前あった運動会の打ち上げの時に撮った写真で、彼女の顔を指さした。


すると兄貴の顔が、変わった。


「お前・・・この子・・・」


「この子が、どうした?」


「この子の名前は桜井海月ちゃん。お前と同じ17歳だ。」


「なんで?どうして兄貴が知ってる?」


「俺の・・・俺とお前の生き別れた妹だよ・・・」


「はッ・・つくならもっとましな嘘つけよな・・・しかもこいつ俺と同じ歳だぜ?」


「お前、知らないのか?母さんと父さんは再婚だ」


「そんなこと知ってるよ。」


「俺たちは父さんの連れ子だ。俺は長男。お前は次男だ。そして彼女は、お前が生まれた年と同じ年にできた俺たちの妹だ。」




いつもなら「うッそー!」とか言う兄貴。
だけどこのときは違っていた。



目が・・・違っていた。