日付が変わる頃、父は自分の部屋へ引っ込み、母と2人で茶の間にてストーブとローソクの灯りの中、ラジオを聞いて時間を過ごします。


余震が来る度に、ビクビクしている母。


「毎回ビクビクしてたら、体力が持たないよ」……と言ってみましたが、こればっかりはどうしようもないみたいです。


午前1時過ぎ、再び携帯充電の為に、家を出ました。


すると、ここ数年見た事が無い、綺麗な星空が広がっていました。


全域停電しているので、回りが真っ暗な上、快晴だった為、普段は見えない等級の星まで見えました。


『ああ……不安な事ばかりかと思ったけど、少し癒されたなぁ……』


そう思って少し星空を見ていたら、流れ星が流れました。


その瞬間、迷わずに願ったのは……。




『みんな無事でいて!』




被害が大きい事は、分かっていました。


亡くなられた方が居るのも、分かっていました。


本来なら『より多くの人』と思うべきなのでしょうが、やっぱり『みんな』と願わずにはいられなかったんだと思います。