二人が学校を出る頃になり、人の悲鳴が聞こえてきた。

何も言わず、二人は早足で店へ戻った。

店内の奥の部屋へ行くと、真名はテーブルの上にスケッチブックを開いた。

そして再び筆を取り、一枚一枚、丁寧に絵を消していく。

多くの人間の死体の絵を、真っ白に塗り潰していく。

座布団の上で正座をして、背筋を伸ばし、筆を動かす。

その作業は日が暮れるまで続いた。

最後の実花のページを塗り終えた後、筆を置き、深くため息をついた。

「お疲れ様でした。お茶をどうぞ」

「…ああ」

真名は姿勢を崩し、お茶を飲んだ。

「何か食べますか?」