実花の葬式を終えた後、真名はスケッチブックを脇に抱え、山の土道を登っていた。

目指すは骨董屋だ。

上に行くにつれ、人と会うことがなくなってきた。

真名は今度は気付いた。

けれど今から行く場所が場所なだけだと、思い直す。

骨董屋に入る前に、大きく息を吸い、吐いた。

そして引き戸を開ける。

 ちりんちりーん

「っ!」

前回よりも強く、鈴の音が頭の中に響いた。

「いらっしゃい。前回からあまり時間が経っていないのに、再び来ていただけて嬉しいですよ」