―――寝不足だからです。

そう思いたいのに、眠気がまた、飛んで行く。

私はコンビニの袋を持ち、眠そうな顔した山下さんをチラッと見た。



「何だ、その馬鹿面」



…はいっ??

どうやら山下さんは、私が警視総監の娘でも、態度を改めるつもりはないらしい。

私は煙草を灰皿に捨て、立ち上がった。

…文句の一つでも。

ーーグゥゥゥー…



「あ……」



腹の虫が鳴いてしまった。

私は恥ずかしさに、お腹を擦りながら俯く。



「はぁ。食べるか?」



でも、山下さんは、笑う事なく、三つあったおにぎりのうちの、鮭のおにぎりをくれた。