洗い物や洗濯が終わり、リビングに戻るとお義兄ちゃんはDVDの準備をしていた




『唯、ちょうどセットし終わったんだよ』



お義兄ちやんはホラー映画が大好きで、しょっちゅうDVDを見ている

そのせいか前まで苦手だったホラーも、最近ではお義兄ちゃんと一緒に見るようになった

ソファーに座って見はじめた


やっぱり夏といったらホラーでしょ!!

でも、今回の映画はあまり怖くなさそう……


飲み物を取りに台所に行こうとして、ソファーを立った時だった





(グイッ)

キャアッ


腕をお義兄ちゃんに引っ張られて、ソファーに押し倒された


いきなりのことに何が起こったのか理解できなかったが
目の前には今までに見たことのないぐらい悲しい顔をしていた





「お、にい…ちゃん?」



『俺は唯のおにいちゃんじゃねぇんだよ……』



「それは……血は繋がってないけどあたしはッ………んんッ……!」




ほんの一瞬、お義兄ちゃんは触れるだけのキスをしてきた………




「………なん………で……」

声を震わせながらお義兄ちゃんに問い掛けた




この時、玄関からお父さんが入ってきたことなんて
二人とも知るよしもなかった…………