週が明けて数日が過ぎたある日。

春田は保健室でひじ掛け付きの椅子に座り、見るともなく窓越しに校庭を眺めていた。


初夏の強い陽射しを浴び、体育の授業を受ける若い生徒達。

若いというよりも、子供に見える彼らと、大人びた徹也が同世代だという事が、春田には不思議に思えてならない。


徹也と明かした夜。自分からしてしまった徹也とのキス、そして胸に抱かれた時の徹也の温もりを想い、春田はハァーとため息をついた。


その時、校庭で生徒の指導をする体育教師の“ゴリラ”が春田の視界に入り、思わず視線を逸らすと、別の意味で再びため息をつくのだった。