その日、二人は殆どの時間をベッドの上で、抱き合って過ごした。


互いの身の上話もたくさん言い合った。

春田の家は兄が独立し、サラリーマンの父と専業主婦の母と三人で暮らしている事。

母には、徹也の存在を薄々気付かれている事も…

また、トラウマについては話さなかったが、男性が苦手だった事と、厚化粧をしていた訳も徹也に話した。


一方徹也は、母親は徹也がまだ幼い頃に病気で他界した事を春田に話した。

春田と出会った日、カーテン越しに聞いた春田の声に、母親の面影を思い浮かべた事も。


徹也は一人っ子だが、家の近所に同い年ながら、妹のように大事にして来た、幼なじみの女の子がいるという。

それが、由美だった。