(ああん、もう…!)


春田はイライラしていた。
あれから毎日、“ゴリラ”から彼氏に早く会わせろと催促される事と、徹也が保健室にやって来ない事に。


(もう頭痛しなくなったのかしら? それは良い事だけど、顔を見せるぐらい、してくれてもいいじゃない?)


春田はちょうど一週間前の夜を思い出して、ため息を漏らす毎日だった。


(福山君にとっては、私なんかどうでもいい存在? あ、もしかして避けられてる?)


そう思ったら悲しくなり、涙がジワッと出て来たところで、春田の携帯からけたたましいK-POPが流れだした。彩香からのメールだ。


『ヤッホー。今夜会おうよ?』


春田はすぐにOKの返事をした。彩香に愚痴って、やけ酒を飲みたい心境だったから。