わたしには幼稚園から今の高校生活に至るまで、ずっと一緒の幼なじみがいる。

「あら、美羽ちゃん。おはよう」

「おはようございます。おばさん」

 わたしの名前は美羽。
 今日も寝助な隣に住む幼なじみを起こす所から、朝がはじまる。

「いっつも、悪いわね!」

「いえいえ、もう慣れました」

 幼なじみの名前は冬馬。
 勉強も出来て顔も良いと評判の男の子。
 まあ、たしかに顔は悪くないと思う……
 けどね……

「はあ~……」

 冬馬の母親に挨拶をすませ、階段を上がり、2階にある部屋の前で、かならずわたしは溜息を吐く。