今日は一年に一度
彦星様と織姫様が出会える日。

遠く離れた天の川の向こう側。

今年も橋がかかって、あなたたちは私の頭上で結ばれる。

ねぇ…
お願いできますか?

その高い空からなら見えるでしょう?

私もあの人に会いたいの……


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「里奈は短冊に何書いたの?」

私の隣に立っている金沢優子(カナザワ ユウコ)が聞いてきた。

「内緒ッ。願い事は口にしたら叶わないって言うしね」

「えーっなんでよケチッ」

隣で優子が頬を膨らませた。

「じゃあ優子はなんて書いたのさ?」

「そりゃもちろん“素敵な彼氏が欲しい!”に決まってるじゃん」

それを聞いて私は苦笑い。

やっぱり普通の女の子なら彼氏が欲しいと願うのだろう。

ましてや、もう高校一年生。

余計そうなんだろうな…

でも私は違った。

私は“彼”じゃなきゃダメなんだ。

青い短冊。

青は彼の好きな色。

遠くに行ってしまった彼の好きな色…