ヴー、ヴー、

朝を知らせる携帯のアラームが鳴り響く。

「・・・んぅ、」

昨日、朝方まで反省文を書いていた遥はとても起きられる状態じゃなかった。

海は両親に停学になったことは言ったが、詳しくは言わなかった。

また、色々と落ち着いたら話すと言った海の瞳は

前とは違い真剣で、まっすぐだった。

両親は最初は反論していたが、食い下がらない娘を見てあきらめたのだろう。

きちんと、また話しなさい。と釘をさしてその場はまるく収まった。


普通の家庭では許してはくれないだろうな、と思う。



「遥ー!起きなさーい!」

遅刻するわよ!と一階から母親の声が聞こえる。

遥は布団を頭からかぶった。

トン、トン、と階段をあがる音が聞こえてくる。

がちゃり、

部屋のドアが開いた。

どうせ母親だろうと無視していると、ちょんちょん、と遠慮がちにつついてくる。


「・・・・。」


「遥、朝だよ。」


困ったような表情をした海が立っていた。

がばっ、

勢いよく起き上がると、遥は海を見る。

「う、海!?」

「うん。あ、髪形変えてみたの、変かな?」

「・・・ううん、似合ってる。」

目の前の海の髪型は綺麗に整えられていてまっすぐだった。

アイロンを使ったんだろう。

素直な感想を言えば、海はほんのり頬を赤くして礼を言う。

きゅん、と胸がしめつけられた。