そもそもの出逢いはサッカーボール。
わたしはその日もサッカー部と陸上部の部活の声を聞きながら、みずやりをしていた。
学校で唯一活動している園芸部だから、水やりはかかさずやっている。
特命園芸部。ちなみに他は幽霊部員。
だから体勢としてはかがんで周りなんて見ていなかったんだ。
「オラオラ!」
サッカー部の3年生は最上生になったことが嬉しいのか、カッコつけて後輩に見せつけていた。
そのなかで、他のボールよりも遥か遠くに飛んでいくボールが。
「おーい、伊沢。取ってくれ」
先輩に声をかけられて振り返ると青空に白いボールのコントラスト。
先輩は、力みすぎたらしい。