≪―泉side―≫
「おはよー!!」
ーーシーン。
バーン!と勢い良く教室の扉を開けたはいいけど、返事がないのはやっぱり分かっていても切ない。
手を上げたまま顔をひきつらせて固まっているとポンと頭に手を誰かが置いた。
でもそれは一瞬。
すかさずあたしの横を彼が通る。
「……柊」
「おはよう」
「お、おはよう」
フッと笑う柊に被せるのは相変わらず彼だけど、でも、徐々に忘れられればそれでいいって思う。
そうでしょ?……柊。
「ん? 俺の顔になんかついてる?」
「ううん!」
どうしてだろう。
涼と柊、
全然違うのに似ていると感じるのは。