あぁ、今日は夜空が綺麗だ。


でもね、あたし。


君と出逢うまで
空なんて見たことなかった。


君がよく空を見上げていたから、あたしも空を見るようになったんだ。


君のクセだよね。

暇があれば空を見上げるのは。



「柊!」



灰色の髪の彼を〝しゅう〟と呼んだのはクマのぬいぐるみを持った背の小さい女の子。


その子は柊に駆け寄るとあたしを見て。



「かおるー!!こっち!」



そう、確かに言った。


かおる……?


嫌な予感がして鳥肌がたった。



「あ、居た……って、みんなやられてんじゃん」



……この声。

この声を、あたしは知ってる。


ウソでしょ?



「大丈夫?柊から連絡もらって来たんだけど、ケガしてない?」



……神様。

あたし、運が悪いのでしょうか。