≪―涼side―≫
俺と遥と雅は始業式を当たり前のようにサボって、屋上に居た。
……会話なんてない。
あるのは重苦しい空気だけ。
なんでだ?
なんで黙って行ったんだよ。
泉―――…
「くっそッ……!!」
ガシャンッと、遥が屋上の柵を殴った。
それを無言で雅と見つめる。
「俺、帰るわ」
イライラした様子の遥が屋上から出て行く。それを雅が「待てよ!」と追いかけて行った。
俺はその場に居座ったまま動かない。
理由は?
引っ越した理由。
引っ越す事を黙っていた理由。
なぁ、泉。
お前、今どこに居るんだよ。