ケータイ小説 野いちご

俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。

桜、九枚目『さようなら』


≪―涼side―≫



俺と遥と雅は始業式を当たり前のようにサボって、屋上に居た。


……会話なんてない。

あるのは重苦しい空気だけ。


なんでだ?

なんで黙って行ったんだよ。


泉―――…



「くっそッ……!!」



ガシャンッと、遥が屋上の柵を殴った。


それを無言で雅と見つめる。



「俺、帰るわ」



イライラした様子の遥が屋上から出て行く。それを雅が「待てよ!」と追いかけて行った。


俺はその場に居座ったまま動かない。


理由は?


引っ越した理由。

引っ越す事を黙っていた理由。


なぁ、泉。


お前、今どこに居るんだよ。

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