ケータイ小説 野いちご

俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。

桜、七枚目『敵、撃破!』


ずっと、違和感があったんだ。



「お前は雅なんかじゃねぇ!!」


「何言って……俺は雅だ」


「雅は俺のことを〝泉くん〟なんて呼ばねぇんだよっ」



雅の偽物が目を見開き、遥が納得したような表情をあたしに見せた。


あいつは。雅は。

あたしのことを"泉くん"とは呼ばない。



―――『仲間だからって言ってるじゃん何回言えばいいの泉チャン』



瞳を閉じて、雅を思い浮かべる。



「あいつは俺のことを〝泉ちゃん〟って、呼ぶんだよ……」



たまに泉って呼ぶけど。それ以外は〝泉ちゃん〟って呼ぶことはあっても〝泉くん〟と呼ぶことはなかった。


いつも泉ちゃんと呼ばれて女なのだとバレたんじゃないかってヒヤヒヤさせられる。


それに……。

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