【悠都】



へぇ~、アレがユナの彼氏か…。



放課後、教室から見える昇降口付近を眺めていた。



目に飛び込んできたユナと背の高い男のツーショット…。



俺が通ってた中学の隣の中学から来たヤツだってことは噂で知ってる。



確か名前はなんとかリオって言ったか?



2年まで名前は聞こえてくるほど存在感があるヤツ。



「悠都、行かねぇの?」

「ん~、行くけど…」

「何見てんだよ」

「幼なじみ」

「殺気立ちながら?」



んなバカな。



今の俺は琴里に夢中だってば。



「ガラにもなく失恋?」

「かもな…」

「マジで!?」



幼い頃の俺はいつまでもユナといれると思っていた。



なにも考えず、なにも感じず。



死ぬまで一緒に生活して行く気がしていた。



あの日、俺がユナを突き放したりしなければ隣にいたのは俺かもしれない。



「幸せになっちまえバーカ!!」

「えっ!?なにその憎悪!!」

「うっせ!!行くぞ!!」



見えなくなったユナの姿。



胸が痛い。