「やっと終わった。」

幸大は自宅である寮での作業を終えた。

書類の不備がないか、部屋の相部屋、それらを確認して誰が何号室の部屋か、その書類の作成。

「もうすぐ時間だな。」

幸大は自宅にある一つの部屋に入った。

そこは両側に階段が見える三面ガラス張りの部屋。

いわゆる寮の詰め所に近い。

「ここで鍵を渡すのか。」


生徒がやって来る。

男子だ。

「すみません、入寮希望ですけど、」

「生徒手帳見せてくれ。」

生徒手帳を提示する。

「はいよ。

これ、鍵ね。

そこの機械に生徒手帳をかざしてから手を置いて。」


機械が指紋登録をした。

「それが入り方だ。」


その後もぞくぞくとやって来る。

しばらくして、とある男子がやって来る。

「生徒手帳見せてくれ。」

「どうぞ。」


「これ、鍵。

…。」


「どうかしました?」

「…、いや、べつに。

じゃあ、そこの機械に生徒手帳をかざしてから手を置いて。」

「解りました。」



「石動<いするぎ>涼、か。

何か違和感があるな。」





引っ越しの業者が次々と出ては入り、入っては出る。

「こういうのもとっかえひっかえ、か?」



学生寮の門限は8時。

それまでに、寮の外にある食堂に寮生は言って夕食をとる。

食堂は、朝食、昼食もやっている。



教師は夜9時まで使用可能。


「飯でも食いに行くか。」

現在、だいたい8時半。