「ふぅ、疲れた。」

「幸大君、お疲れ様。」

狭山の席に座っている学園長が労う。

「まったくです。

誰かのせいで。」

「で、クリスは?」

「先に行っててくれって。」

「コーヒー飲む?」

「飲み飽きました。

入学式から毎日暇でコーヒーだけで腹が膨れるほどでしたから。」

「私も飽きたわ。」



「master!」

クリスが走ってくる。


「どうした?」

「this is present」

クリスが缶ジュースを差し出す。

「俺に?」

幸大のジェスチャーに頷く。

「ありがと。」


「?」

「あー、

Thank you」


クリスは少し迷って、

「Thank you is ありがと in japanese?」

「yes」

クリスが笑う。


「クリスは気が利きますね。

どこかの学園長と違って。」

「へぇ、私じゃ癒しにならないかしら?」

「そういう意味じゃ、」


「クリス、見てなさい。

大人の癒し方よ。」


ムギュ、

「学園長、」

学園長が後ろから抱きつく。

「静かにしないとこのまま首を絞めるわよ?」


「…。」


「…。」

「ってただ後ろから抱きついてるだけでしょ。」

「ふーん、何かしてほしいの?」

「別に、そういうわけじゃ、」

「じっとしててくれる。」

学園長が腹部をそっと撫でる。

「ふふふっ。」

もう片方で胸部を撫でる。