生徒達が落ち着きない学園。

その学食。

「今日の学食はいつもより騒がしいですね。」

幸大が言う。

「まぁ、皆はGWが楽しみでしょうから。」

狭山が答える。


「幸大君は何処かに行くの?」

学園長が訊ねる。

「特には。

実家にって言っても、あんまりやることもないので。


そう言えば、お前らは?」

「私達も学園にいるわ。」

「お母さん達は海外だし、前に住んでた家も売っちゃったので帰る場所がないんです。」


二月姉妹が答える。

「僕も、あの家にはできるだけ帰りたくないので。」

石動が答える。


「私も両親が海外ですし、家が忙しいので残りますわ。」

神宮寺が言う。


「全員、残るのか。

狭山先生はどうするんですか?」

「私も実家が遠いので帰るとお金がもったいないので。」

「そう言えば、狭山先生は部活とかの顧問は?」

「やってません。

私、やるのは好きですけど教えるのが苦手で。

岡田先生は?」


「俺は運動が苦手で嫌いなんで、顧問なんてとんでもない。

まぁ、空手はやってましたけど。」

「空手ってあの闘うやつですか?」

「まぁ。

あんまり強くはないですよ。

空手よりも喧嘩の方が得意だったんで。」