「ここが、魔法学園ユートピアか。」

校門の前に一人の男が立っていた。

この男、名前は岡田幸大。

男は、およそ一ヶ月前に高校を卒業した。




3月下旬に一通の手紙がきた。

これがすべての始まりだった。



「魔法学園ユートピア?

確かここ最近ずっとニュースでやってるやつだな。」


幸大は手紙を読む。

『前略

貴殿には当学園に4月より教員として教鞭を振るっていただきたい

質問等ありますでしょうが一度会ってお話したい

4月2日に学園に来ていただきたい

同封した現金は交通費としてお使いください』



10万円が入っていた。


「普通の手紙に現金って入れて良かったっけ?」



そして、現在、事務員に連れられ学園長室に向かっている。


ドアをノックすると「どうぞ」と声がした。

若い女性の声だった。

事務員は引き返し、幸大は部屋に入る。

「失礼します。」

「よく来てくれたわ。

私は学園長のセレスよ。」

「外国の人ですか?」

「日本人よ。

両親は二人とも外国かぶれで私の姉はマリアって名前よ。」

「そうですか。

あ、俺は岡田幸大です。」

「手紙を出したんだもの、知ってるわ。」