この悪霊の正体は一体……



それさえ掴めれば何か、勝機が見出だせるのに──



「俺が存在できるのは太陽が隠れている間だけだからな、お前を倒すために時間を要するわけにはいかないんだ……ってなわけで!」



消えた!?



「違うっ!!!!!」

足元!!!!!
こいつの正体は『影』!!!

もう時はすでに遅かった。黒い影が要の両足を捕らえる。



ズブズブ……



それはもはや底なしの沼のように彼女自身をのみ込んでゆく。





「誰か……





たす





け……て……」





要の姿が消えるまでは、僅か数秒の出来事であった。