「ねぇ陸、本当に出来るの?」





大きな鏡の前で、鞄を持ちながらしゃがみこんでいる未来が私を心配そうに見てくる。






「平気だって!さっきも生徒会室のパソコンで映像見たし!!」





私は今、学園のレッスンスタジオにいる。





もちろん放課後に生徒会のお仕事が終わった後だ。






「でも陸、ダンス全然出来ないじゃん」





「うるさいな!だから練習してるの」





実は未来とは小学校から一緒で、仲良くなったのは中学の途中からなんだけど…ダンスの授業で一緒だった未来はもちろん私がダンス下手な事を知っている。





「会長に練習付き合ってもらえばいいじゃん、ペアなんだから」





「そんなの会長に悪いでしょ!迷惑かけられないし」




さっき映像で見たダンスの動きをイメージしながらゆっくりとカラダを動かすけれど





「ぎゃーっ」





ドテーンっとまるで漫画のように体制を崩して尻餅をつく。